|
一口に胃腸の症状と言っても、色々なものがありますね。例えば、神経緊張から来る「神経性胃炎」、冷えや食べ過ぎによる「消化不良」、疲れや食べすぎ、神経の使いすぎによる「胃酸過多」、過労や運動不足による「食欲不振」、「胃潰瘍・十二指腸潰瘍」、冷えやショックなどによる「神経性の下痢」、また気の使いすぎや消化不良による「胃痙攣」など、沢山あります。
ですから、指圧の治療を行う場合もそれぞれの経絡の歪みに応じて対処しなければなりません。が、そうしたことが良く分からなくても、先ずは背部に手を当てて、ゆっくりと撫でてあげることが大事です。
そして、座位でも横向きでも、背骨の両側を交互にゆっくりと深く母指圧をしてあげると自律神経の緊張をゆるめることが出来ますので、症状が和らいで来ます。そして仰向けになれたら、腹部に手を置いて、痛む所に手掌圧をします。
特に胃潰瘍などの場合は、その痛む所に深い持続圧を加えることが必要です。ジーッと、5分でも10分でも右手の3指頭か4指頭で持続圧を加えるのです。このとき左手は下腹部に当てて、ある程度の支え圧を加えます。
そうすると、段々と潰瘍が小さくなって行きます。また、胃下垂などの時は、両手の指先を揃えて、胃の辺りをグッと押さえて、それを下に引きおろし、パッと両手を離すことを何回か繰り返します。これは胃に刺激を与え弾力を取り戻すことにもなります。
以前に、私が新幹線で旅行中に、同乗していた年配の男性が「胃痙攣」を起こしたことがありました。その時、周りに医者がいないと言うことで、私が指名されました。でも、当時は指圧師になりたてでどう対処していいのか分かりませんでした。
ともかく、三人掛けの椅子に座って苦しんでいる男性に後ろからしか出来ない状態でしたので、とにかく背中を押しながら、左手を相手の前に回して胃の辺りを探ってみました。
すると、胃がものすごく震えていました。まさに、胃痙攣とはこのことだなと実感しました。そこで、左手で胃をしっかり押さえて、右手のナックル(人差し指を曲げた状態)で相手の左肩甲骨の下辺り、胃の反応点を強圧し続けました。もう汗びっしょりで、どうなるかと思っていましたら、暫くして、胃のケイレンがピタリと収まってしまいました。
これには私もビックリしました。相手の男性も、それ以後、再発することなく旅行を楽しまれました。それ以来、左肩甲骨の下縁の胃の反応点(経絡上のポイント)は間違いないと確信しました。
とにかく、慢性的な胃腸の症状には、指圧の全身治療が効果がありますので、是非試みてみてください。
|