症状別の対処法(3)

よくある症状に対する指圧の対処法を

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◇胃腸の症状 ◇肝臓・胆のうの症状

 

■ 胃腸の症状

一口に胃腸の症状と言っても、色々なものがありますね。例えば、神経緊張から来る「神経性胃炎」、冷えや食べ過ぎによる「消化不良」、疲れや食べすぎ、神経の使いすぎによる「胃酸過多」、過労や運動不足による「食欲不振」、「胃潰瘍・十二指腸潰瘍」、冷えやショックなどによる「神経性の下痢」、また気の使いすぎや消化不良による「胃痙攣」など、沢山あります。

ですから、指圧の治療を行う場合もそれぞれの経絡の歪みに応じて対処しなければなりません。が、そうしたことが良く分からなくても、先ずは背部に手を当てて、ゆっくりと撫でてあげることが大事です。

そして、座位でも横向きでも、背骨の両側を交互にゆっくりと深く母指圧をしてあげると自律神経の緊張をゆるめることが出来ますので、症状が和らいで来ます。そして仰向けになれたら、腹部に手を置いて、痛む所に手掌圧をします。

特に胃潰瘍などの場合は、その痛む所に深い持続圧を加えることが必要です。ジーッと、5分でも10分でも右手の3指頭か4指頭で持続圧を加えるのです。このとき左手は下腹部に当てて、ある程度の支え圧を加えます。

そうすると、段々と潰瘍が小さくなって行きます。また、胃下垂などの時は、両手の指先を揃えて、胃の辺りをグッと押さえて、それを下に引きおろし、パッと両手を離すことを何回か繰り返します。これは胃に刺激を与え弾力を取り戻すことにもなります。


以前に、私が新幹線で旅行中に、同乗していた年配の男性が「胃痙攣」を起こしたことがありました。その時、周りに医者がいないと言うことで、私が指名されました。でも、当時は指圧師になりたてでどう対処していいのか分かりませんでした。

ともかく、三人掛けの椅子に座って苦しんでいる男性に後ろからしか出来ない状態でしたので、とにかく背中を押しながら、左手を相手の前に回して胃の辺りを探ってみました。

すると、胃がものすごく震えていました。まさに、胃痙攣とはこのことだなと実感しました。そこで、左手で胃をしっかり押さえて、右手のナックル(人差し指を曲げた状態)で相手の左肩甲骨の下辺り、胃の反応点を強圧し続けました。もう汗びっしょりで、どうなるかと思っていましたら、暫くして、胃のケイレンがピタリと収まってしまいました。

これには私もビックリしました。相手の男性も、それ以後、再発することなく旅行を楽しまれました。それ以来、左肩甲骨の下縁の胃の反応点(経絡上のポイント)は間違いないと確信しました。

とにかく、慢性的な胃腸の症状には、指圧の全身治療が効果がありますので、是非試みてみてください。



■ 肝臓・胆のうの症状

ご存知のように、肝臓は最大の臓器であるために、少々異常があってもなかなか症状が表れません。「沈黙の臓器」とまで言われています。ですが、その肝臓や胆のうが何処にあるのか分からないと言う方も結構おられます。

肝臓は右の季肋下(右の肋骨の下縁部分)にあり、胆のうは肝臓の下にある、親指大の臓器です。「肝胆相照らす」という言葉がある通り、胆のうが悪いと必然的に肝臓も悪くなります。

一般的には、肝臓は体内に入ってきた毒物を解毒したり、皮膚と共働きして体温を調節したり、身体のどこかに栄養の足りない所ができると、そこに栄養を補給したりします。また胆のうは、肝臓の付属器官ですが、胆汁という消化酵素を腸内に分泌して、腸内の食物を殺菌消化する役目があります。


経絡的には、肝は神経、筋肉、膜(肋膜、腹膜など)を支配する所と考えられています。ですから、神経、筋肉、膜に関する病気はすべて肝の働きが障害されているからだと考えます。

また、肝は精神面とも深い関係があり、よく言うところの「カンペキ」「カンシャク」などの「カン」は肝の「カン」を意味します。ですから、神経衰弱もノイローゼもヒステリーもみな、肝の障害とみるのです。

胆のうの働きが悪くなると、胆汁の分泌が悪くなりますので、腸内の食物が異常発酵を起こし下腹部にガスがたまり、張ってきます。便秘、下痢、神経痛、リュウマチ、胆石、黄疸、痔などに罹りやすくなります。

よく腹を立てる人は肝が悪いとも言われています。肝(胆)の障害のある人は顔色が青みがかかっています。よく、コメカミに青筋を立てると表現されます。また、体臭は「水臭い」。好んで「酸味」のものを取ります。

やたら「すっぱい」物を好むのは肝が過労の時で、反対に「すっぱい」物を嫌うのは、肝が弱っている時です。甲高い声を出す時も肝・胆に異常がある時です。また、肝・胆は目に関係しています。「なみだ目」のように涙が出すぎるのは肝・胆の障害です。



1.先ず、腹部の指圧が大切です。腹部全体を指圧した後、左手を下腹部に置いて(支え圧として適当な圧を加える)、右の3指(第2・3・4指)で右季肋下の肝臓、胆のうの部位をゆっくりと持続圧を加えます。

2.下肢全体の指圧を行います。特に大腿の内側と外側は肝・胆に関係しますのでじっくりと何回も行うといいでしょう。

3.次に、うつ伏せにして、背部の指圧をします。特に右の肩甲骨下縁は肝・胆の反応点でもありますので、より深く持続圧を加えます。大概はこの辺りは固くなっている人が多いのですが、特に肝・胆に症状のある人は固いです。

4.下肢も全体的に指圧をします。同様に内腿と外側を入念に指圧をします。

5.再び、仰向けにして、首や頭部の指圧をします。後頚部(胆の経絡)が固い人が多いです。

とにかく、肝・胆の調子が悪いと、胸脇苦満、消化機能の衰え、筋肉のコリ、関節の硬化、倦怠感、不眠、目の疲れなどの症状を訴えますので、指圧の全身治療が何より必要です。

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