<脾・胃系の役割>
胃・脾系は、外界の食物を摂取して栄養になるように消化、発酵させる、「摂食消化作用」を行っています。脾経は膵臓にあたるとされていますが、それよりももっと範囲を広げて、消化発酵を行う酵素の分泌腺を含んでいます。
胃経も単なる胃袋というだけではなく、口から空腸までの全消化管を意味しています。関係する器官として、肌肉と口唇にその状態が現れやすく、目の上下まぶた、ノドや食道、口唇、乳房、卵巣、脂肪、上下肢の筋肉などが含まれます。
「脾」は、膵臓を中心に、全身の消化腺(唾液、胃、胆、小腸の各腺)と乳房、卵巣の生殖腺も含んでいます。また、「思考に寄り物事を消化理解する」という大脳の働きとも関係しています。
脾経に歪みがでますと、あれこれと考え込むことが多く、満腹感がなくても無闇に食べたい気がするとか、落ち着きが無くて早食い、食べた割りには動かず、甘いものや水気の多いものが好きで、常に食べたくなり間食が多くなります。
常に眠気を覚えて、ゴロリと横になりたがります。消化液の分泌が悪く、口が渇きねばる。背中が痛んだり、膝の痛みを訴える場合が多くなります。膝の痛みで立ち座りが不自由になったり、水が溜まることもあります。また肩関節の歪みや、五十肩の原因にもなります。
「胃」は、口唇、口腔から食道、胃袋、十二指腸、空腸間dの消化管の総称す。また、これらの働きを助けるために、摂食行動、四肢の運動と体温の発生、および生殖腺の働きにも関係しています。食欲、乳汁分泌、卵巣機能の一部が関係しています。
胃経に歪みがでますと、胃をいつも意識したり、細かいことを気にしてクヨクヨするとか、食物や気分で食欲にムラがあったり、首や肩がよく凝るという状態が出ます。
アクビが多く出て、足腰が重く、膝から下が冷え、疲れ易い傾向がみられます。胃酸過多とかゲップがよく出たり、鼻詰まりや鼻炎、軽い咳なども、食べ過ぎが原因で起こります。
いわゆる「烏のお灸」という口角炎は胃粘膜の炎症の現れで、胃経に出たものです。みぞおちが固くなり、心臓が苦しいのは、胃が張って心臓を圧迫するためです。風邪が抜けない、胃がもたれる、吐き気があるなども関係しています。
<脾・胃系のばし>
正座をして、上体を静かに後ろへ倒します。倒れるときに、踵(かかと)は臀部の外に出し、臀部を床に着けます。両膝はなるべく近付けるようにしてください。
背や肩が床に着いたら、両腕を真っ直ぐ頭上にのばし、手のひらを内側にして組み合わせ、床に着けるようにします。息を吸いながら、全身を思いっきり、真っ直ぐにつっぱるように、のびをします。
その姿勢で、スジあつれるように思えたり、身体の前面で弓なりに、引っ張られるような感じや、背筋の緊張感、また上肢の両面にも、伸ばされたスジを感じるところが、脾・胃系の経絡にあたります。
そして、つっぱったスジのツレの感じを掴みながら、静かに息を吐いていくと、フーッと全身がゆるむのが分かります。息を吐くという意識で、「気が抜ける」という実感を掴むようにします。息を吐き出すと、自然にツッパリが消えて、筋肉の固さがゆるむのがよく分かります。
その息を吐いて、気の抜けてゆるんだ時の姿勢で、再び息を吸います。すると、わずかでも緩みの感じられたスジが再びその伸びた1で、つっぱってくるのが分かります。
この姿勢で、十分息を吸い込んだときの緊張を確かめてから、また静かに息を吐きます。全身に腹部丹田(ヘソの下あたり)を中心にして気が四肢につっぱっていく、それが息を吐いたときに気が抜けてゆるんでいく、そうした感じを呼吸の間に身体で覚えていくことが大切です。
1) 正座をして、両足の間に尻をおとす。息を吐きながら、上体を静かに後ろに倒す。
その時に膝をそろえて倒れる。

2) 背や肩が床に着いたら、手 のひらを外側にして組み合わせ、 両腕をまっすぐ頭上に伸ばす。
背伸びをする感じで息を吸って、スジを伸ばす。
3) 息を吐いて、ゆるむ(気が抜ける)感じをつかむ。
4) この(3)と(4)を数回くり返す。
※ この脾・胃系の運動をすることで、下記のような症状が楽になります。
胃腸の働きが悪い、食欲が無い、気を使いすぎる、冷えて肩がこる、胃性貧血、早食い、口が渇く、膝関節痛、踵のアレ、疲れやすい、鼻詰まり、鼻炎、足腰が重い、など。 |