§指圧百話(63)

§痛い指圧を受けた方


私は常々、患者が痛がるような指圧は良くないと言い続けていますが、依然として世間ではそうした強い、痛い指圧を行っている治療師が結構います。

一つの問題点として、指圧を標榜しながらも、実際は素人に毛が生えたような者を使っている治療所があったり、あん摩・マッサージのやり方しか知らない者が指圧を行ったり、免許を持たない整体師などが中国式の整体などと言って強い治療を行っている、と言ったように、統制が取れていない面があります。

それは指圧・あん摩・マッサージが同じ免許であると言うことが一つの問題です。この資格を取っていれば、例え指圧を十分習得していなくても(あん摩・マッサージの学校では指圧を殆ど身につけていない。

逆に指圧学校ではあん摩・マッサージを良く教えていない)、指圧の看板を掲げることができるわけです。

このように法律的にはごちゃまぜの状態ですから、現場ではそれに輪を掛けたように何でもありの状態になっています。

しかし、患者側からすると、指圧の看板があれば本来の指圧を受けられると判断しますから、そこで痛い、強い治療を受けると、何だ!、指圧は痛くてダメだ!、と言った感想を持つようになってしまいます。

これは飽く迄も一般的な話で、あん摩・マッサージの治療師が皆、痛い治療をしていると言うのではありません。ただ、そうした例が多いのが実情です。

 

過日、全然面識の無い外国人からメールがありまして、指圧の治療を受けたら痛くて、後から具合が悪くなった。どうして指圧はこんなに痛いんだ。何とかしてもらえないか、と言って来たんです。

しかし、私の所で治療を受けた訳でなし、何処の誰に治療を受けたのかも分かりませんので返事の仕様が無かったんです。

あまり具合が悪いようだったら私の所に来て下さい、とだけ言っておいたんです。このような苦情を言って来る方が時々あるんです。

また私の所に指圧の勉強に来られる生徒さんの中にも、他で痛い指圧を受けてコリゴリしたと言う感想を漏らす方が結構おられます。そうした方は、当方で指圧を受けられて、その違いにビックリされます。

 

この痛い治療と言うことで思い出したことがあります。以前に指圧の勉強に来ておられた方の話です。この方も、こちらで指圧を習われたことで、指圧は痛いものでなく、気持のいいものであることを実感されておられたんです。

この方が外国から来られた知人数人を案内して日光に行かれたことがあったんです。或る旅館に泊まった時に、その外国人の方達が治療を受けたいと言われたので、旅館で3人が受けられたそうです。

ところが、治療が始まると3人とも、痛い、痛いと言って、治療師にもっとソフトにやるように頼んだそうです。

しかし、その治療師達は、そのことに聞く耳を持たず、あろうことか「これが日本式のやり方だ」と言って最後まで、強い、痛い治療をしたそうです。

そのために、その外国人達から、こんな痛い治療(指圧と思ったようです)は二度と受けたくないと怒っていたそうなんです。そんな仕打ちをされたら怒るのは当たり前ですね。多分、その治療師達は、あん摩・マッサージ的な治療をしたもんと推察できます。

 

折角、外国人にも気持ち良くなってもらおうと思っていた、私の生徒さんも、それで面目丸つぶれになってしまったんです。こうした治療師は例え免許を持っていても、治療師の風上にも置けません。何故なら、治療を受ける方の気持が少しも分からず、自分のやり方のみを押し付けた訳ですからね。

トンデモナイことをしてくれた、と言わざるを得ません。何時も申し上げているように、こうした手技の治療と言うのは「愛の手当」ですから、先ず第一に、相手のことを慮ることが何より必要なことです。


ともかくも、この旅館の治療師達のみに限らず、受け手の気持ちを考えずに、凝って硬い箇所をぐいぐい力任せに押すやり方をしている者が沢山いるのが実情です。これでは仲々、治療効果の高い指圧という認識が広まらないのも、無理からぬところです。

しかし、時代はどんどん変わっています。あらゆる面でお互いを思いやり、助け合って行かないと生きては行けない現状になって来ています。そんな時代に、何時までも自分流の強い、痛い治療がいいと考えているようでは、時代に取り残されるだろうことは想像に難くありません。今こそ、「愛の手当」が必要です。


-UP-

 



ートップへー  ー前へー  -次へー



Google
WWW を検索 www.shiatsu-k.comを検索