§指圧百話(24)

指圧を通して体験して来た四方山ばなし

[24] フランス人グループの指圧講座(3)

捻転法の指導をする、きむら先生!フランス人講習の3日目は土曜日でしたし、平日と違って交通機関は混んでいませんでしたので楽でしたが、また山手線が途中で停まってしまったんです。

何か他の線でトラブルがあったらしくて、その煽りで山手線を含めて全線が安全確認の為に停まった言ぅんですね。社内放送では、それ以上の詳細を言わないので、どれ程の停車なのか分からず気を揉みました。

折角、山手線も空いていて、いい気分で乗っていたのに、また10分以上も待たされてしまったんです。これで3日の内、2日も遅延に会ってしまいました。

まぁまぁ、この日の遅れが大したことが無かったので、会場に着くのに問題はありませんでしたが、これでは毎日、電車に乗って通勤する人達は大変だなぁと思いましたね。

 

ところで、フランス人の講座ですが、その日は午前中に中級の最初に習う「腹症」と言ぅ、お腹の診断の仕方を教えました。

普段、指圧の治療をする時には、先ずお腹の診断から始めるわけで、「腹症」は治療を目的とする指圧には一番大事なことなんです。

ただ、大事な分、そう簡単には行かんないんですねぇ。ですから、最初に校長をモデルにして筆者が説明しながら、そのやり方を見せたんです。

しかし、あなたも想像できるでしょうが、やり方を見ただけでは、本当はよく分かりませんよね。幾ら説明されても、やる段になると戸惑うもんですよね。


一日目に言いましたように、彼等は、今回付き添いで来ておられる校長先生が経営されているフランスの指圧学校の2年生と3年生なんですが、実技の経験が足りない人が多いように思われました。

ですから、余計に「腹症」なんかはやり辛かったんじゃないかと思うんです。それでも、腹部の押す場所だけは確り覚えてもらいたいと思いまして、その点に重点を置いて教えたんです。

しかし、フランスから到着して、その翌日から直ぐに指圧の講座を始めて来ましたから、3日目にもなりますとねぇ、時差の問題などで皆疲れて来てたんですよ。

従って、頭では分かってるんですが、やってみると上手く行かない者が多いんですよ。これは仕方無いことですよね。

でもねぇ、そうやって疲れが出でいる中でも皆、ダラける者も居りませんし、熱心にメモを取ったり、お互いにやり合ったりして学んでくれたので、有難かったです。


筆者は、こうやって毎日のように20人以上のフランス人に囲まれていましたので、何か日本に居るような気がしませんでした。フランスで講座をしているのではないかと言ぅ錯覚を覚えるぐらいでした。

昼食の時に、数人の生徒と校長夫妻と一緒に話をしたんですが、指圧のことだけではなく、フランスの教育の実情や政治の在り方なんかに付いて意見の交換が出来たんです。

彼等はフランスと言っても、ニースなどの南の暖かい地方に住んでいるので、パリなんかの都会の人間とは大分、生き方や考え方が違う見たいでしたよ。

生活のサイクルが緩やかで、自然に恵まれた生活なのではないかと感じられました。その所為で余計に指圧にも興味を持っているのかも知れませんね。最近では日本人にも人気ですよね、プロバンス地方は・・・。

 

で、午後からは中級用の「座位」のやり方を教えました。初日に初級用の「座位」のやり方を勉強しているし、似たようなとこが多いですから、問題は無いと思ったんですが、意外と皆、トロトロしてスムーズに行きませんでした。

やっぱり、先程も言いましたように、午後からは更に疲れが出て来たみたいで、頭の巡りが悪くなっている感じが強かったですね。

ですから、最後はリラックスできる簡単な方法をやらして早めに終了したんです。その後、彼等は大相撲を見物に行くことになっていましたので、それも考えて早めに終ったんです。その方が、筆者も楽でした。

(つづく)


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