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或る時期、各国の大使館に行って指圧の治療をしたり、指圧講座を行なったりしたことがありました。
そんな時期、南米のウルグアイ大使が他の方と一緒に、筆者の所に指圧の勉強に見えたんです。
その前にも、南米各国の大使館から指圧の勉強に来られたり、またこちらから出向いて指圧講座を行なっていましたので、大使だからと言って意識はしていませんでした。
講座の方はほぼ終了はしたのですが、最後までは続けられませんでした。やはり仕事柄、色々と多忙にされていましたからねぇ。
その後、今度は指圧の治療に来てくれないかとの依頼がありました。六本木の隣の麻布十番にある大使公邸(と言ってもマンションの一部屋でした)に来て欲しいということでした。
当時はまだ、地下鉄が麻布十番まで通っていませんでしたので、毎回、六本木から歩いて麻布十番の公邸まで通ったんです。
言い忘れましたが、この大使は中年の女性でした。大変頭のいい、教養のある女性でした。ただ、仕事柄、大変に身体が凝っていました。
もう慢性的な凝りで、簡単にどうこうなる状態ではありませんでした。そのことが分かっておられたんでしょうか、定期的に治療を続けられるようになりました。
そうこうする内に、治療に伺う度に色々と個人的な相談をされるようになったんです。こちらが聞かないのに仕事の内容を話されたりもしました。
筆者もいい加減な返事はできませんので、その都度、自分の考えや気付いたことを素直に話しました。特に因縁などの霊的なこともドンドン話しました。
この大使も、そうしたことには理解があるようで筆者の話を素直に聞いてくれました。その点は大変やり易かったです。
個人的な相談で一番ショックだったのは、彼女の長男が麻薬が止められず苦労をしていることを話されたことです。最初は耳を疑ったほどです。
この長男は結婚して子供もおり、オーストラリアに住んでいたんです。ですが、麻薬と縁が切れずにおり、奥さんとも揉めていることなどを聞かされたんです。
勿論、このことで大使もどうしたものかと始終気を使っておられ、時々はオーストラリアに尋ねて行かれたりしていたようです。
よく言われているように、何処の国でも、大使とか外交官は治外法権の特権があるために麻薬や薬物などを密輸したりするものが跡を絶たないようですね。
この長男が麻薬に親しんだのは何時頃か知りませんが、やはり母親が外交官であり、各国に赴任している間にキッカケがあったものと想像できます。
日本に居る外国の外交官の子供達が、六本木界隈でいかがわしい所に出入りして麻薬や薬物に接している姿はよく知られていますものね。
筆者としても、こうした問題に対してこれと言った解決策がある訳ではありませんので、大使に対して、こうしたらどうですかと言ったアドバイス的なことしか言えませんでした。
ところで、この大使の所に伺っていた時、大使館員がストーカーに絡まれて大変な目に遭ったとこを聞かされました。
ストーカーと言っても外国人女性です。ウルグアイ大使館員は男性で、この女性と別れ話が出て、そのことでこの女性が逆切れしたわけです。
それで、どうしたかと言いますと、この女性が他の男性に依頼して、大使館員が住んでいたマンションの前で待ち伏せして、襲ってケガをさせたと言うんです。
日本でもストーカー事件はよく報道されていますが、男性ストーカーの方が多いですよね。ですから、この女性ストーカーの暴力を聞かされた時にはゾッとしました。
ストーカー事件は全くの他人からの場合もありますが、殆どは知り合い、元カレ、元カノ、元夫、元妻と言った者からが多いですよね。それだけに暴力沙汰になることが多いようです。
また、この大使のことで忘れないことがあります。指圧の治療以外のことですがね。
或る年の年明けの時に治療に伺ったんです。その朝、各国の大使と共に皇居に参内されて皇族の方々との新年の宴に出席されたんです。
その帰りに皇居の新年のおせちを頂いて帰ってこられたんです。ですが、そうした物は口に合わないから、筆者に持って帰ってくれと頼まれたんです。
皇室の方々が頂かれる新年のおせちを賜るなど考えても見ませんでしたので、大喜びで頂戴して来ました。勿論、美味しく頂戴しましたよ。
この大使とのご縁が無かったら、こんな経験をさせてもらうことは無かったと思います。ですから、この大使のことを思う度に、このおせちのことが頭に浮かぶんです。
ちなみに、このウルグアイ大使はその後、日本からドイツに赴任されたんです。その直後に地下鉄が麻布十番を通るようになったんですね。残念・・・。
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