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毎度申し上げているように、ここで取り上げている話題は年代は順不同です。思い出したり気付いたものから書き出しています。
これもいつ頃だったか定かではないのですが、ある時、アメリカの元国務長官であったヘンリー・キッシンジャー氏の指圧治療をする羽目になりました。
筆者は相手が誰であろうが、治療の依頼があれば何処でも出向いて行きますが、自分の方から誰か有名人の治療をしたいとかは思ったことはありません。
基本的には一般の方の治療だけで結構だと思っているんです。ただ、一つだけの希望は、洵に畏れ多いのですが、天皇陛下を始め皇室の方がたの治療をさせて頂けたら本望だと思っています。
そうした治療に対する基本姿勢を持ってはいるのですが、時として、思わぬ所から治療の依頼があったりするのです。前にも書きましたが、アメリカのミュージカルスターのライザミネリさんなんかがそうでした。
これもその当時と同じ頃だったと思いますが、或る朝、ニューヨークで指圧を手広くやっておられる○○氏から電話がありました。
○○氏は筆者と同じ広島県の出身で指圧学校を卒業して単身アメリカに渡り、その後多くの有名人の治療をするようになったり、大勢の生徒を抱える学校のような組織を作り大活躍をされている方です。
小柄な男性ですが、エネルギッシュで活動的で、毎年のようにヨーロッパ各地で指圧講座を開いたりもされています。筆者とは反対に指圧をビジネスとして成り立たせている方です。
その○○氏からの電話の内容は、数日後にキッシンジャー氏が日本に行くから指圧の治療を頼むと言うものでした。キッシンジャー氏と言えば、アメリカのニクソン政権の時代から世界を股に掛けて活躍して来た人であり、ノーベル平和賞も受賞した方ですから、筆者も良く知っていました。
ですが、筆者としては、テレビのニュースで拝見したり、色んな記事や本を通して同氏の在り様を知っていましたので、個人的には厚意を持っていませんでした。
でも○○氏からの依頼でしたので、無下に断る訳にも行きませんので、取り敢えずは行きましょうと返事をしたんです。
そうしたら、○○氏がキッシンジャー氏は周りにボディガードを従えているし、ひょっとしてピストルを持っているかも知れないよと言われたんです。
何じゃぁそりゃぁ!と思い、急に緊張感が出て来てイヤになってしまいました。こりゃぁエライ相手のとこに行かされるなと思い、気が重くなりましたよ。
ともかく、その数日後、約束のあったホテル・オークラのスイートルームを訪ねたんです。部屋のドアーをノックしながら、拳銃を持ったボディガードが出て来るのではとドキドキして待っていました。
するとドアーが開き、中からメガネを掛けた小太りの中年男性が出てきたんです。一瞬、誰このオッサンは!と思いましたが、彼こそがキッシンジャー氏だったんです。
筆者はもう少し背の高い方だと勝手に思っていましたので、筆者よりも目線が低かったので、アレ〜と言ぅ戸惑いの顔になってしまい、挨拶もそこそこに部屋に案内されました。
あなたがオークラのスイートルームに宿泊されたことがあるかどうかは知りませんが、筆者はその時始めてその部屋に入りました。一生こんな部屋には用が無いだろうと思い、あちこち周りを良く見てみました。
それまでにも都内各地の超高級マンションや億ションなんかで外人の治療や講習に出掛けていましたので、どんな立派な所に行っても、こんなもんかと言ぅ気がして、何時もそれが何ぼのもんじゃぁ!と思っていました。
オークラのスイートも同様で、こんな所に一晩に60万から80万の宿泊費を払って泊まる客の気が知れないと思いました。やっぱり筆者は貧乏性だと思いましたね。金持ちは宿泊費なんか目じゃ無いですものねぇ。
それはともかく、寝室のベッドの脇のフロワーにベッドカバーを敷いて、そこでキッシンジャー氏の治療をしたんです。
同氏はアメリカでは○○氏の治療を受けておられたので、指圧の治療には慣れておられました。治療をして見て、ちょっと肥満気味で偏平足なのが気になりました。
ですから、もうちょっと運動をして減量をしないと大変になりますよと忠告したんです。こちらは、どうせ聞きはしないだろうからと軽い気持ちで言ったんですが、同氏は真剣な様子で、減量に努めようと言われたんです。
ヘエ〜、真剣なんだなぁと、その言葉を真に受けたんです。ですが、ですが・・・その翌年、再度、同氏の治療したんですが、何と更に太ってましたよ!
この時は同氏の治療が終った後、同行されていた奥様の治療もさせてもらったんです。奥様は長身で、大変痩せた方でした。ちょっと神経質でやり難い方でしたねぇ。
さっきも言いましたが、キッシンジャー氏はこの翌年も来日の折に治療を受けられたんですが、その時は初回ほどの緊張はありませんでした。
さらに翌年も治療の依頼があったんですが、その当日になってドタキャンされたんです。これで筆者は切れてしまい、二度と彼の指圧をしないと決めたんです。以来、何の縁もありません。
このようにセレブや有名人の場合は、先方の勝手で簡単にスケジュールを変更されたり、余計な神経を使わされたりしますので、やりたくないと言うのが本音です。
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