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あなたもご存知のように、あらゆる治療の原点は「手当て」ですが、指圧こそは、その「手当て」そのものです。
手を当てることによって、受け手(患者)との間に生命の共感が生まれます。そこに宇宙のエネルギーが流入して、受け手の自然治癒能力が活性化され、症状が改善されて行きます。
しかし、指圧は強く押すので痛いとか、指圧は肩こりや腰痛の時にだけ受けるものだとか、まだまだ本来の指圧の良さが理解されていません。ですから、この「指圧講座」を通して、あなたが本当の指圧を体験され、それを日々の生活の中に取り入れて、心身共に健康になって頂きたいと願っているのです。
1.指圧とは?
指圧という名称は、明治末期から大正にかけての、手技による療術の中からおこり、昭和の初期から一般に普及し始めました。厚生省教本の定義によりますと、
『指圧法とは、徒手で母指、手掌等を用い体表の一定部位を押圧して生体の変調を矯正し、健康の維持増進をはかり、または特定の疾病治癒に寄与する施術である』
ということになっています。
大変かたぐるしい表現になっていますが、要は、手指などを使って体の表面を刺激することで健康の維持増進を図る方法ということになります。また、厚生省医事課編では、
『指圧とは導引・柔道活法・古来のあん摩術から発したものであるが、大正初期、米国の各種整体療法の学理と手技を吸収書他施術である』
と書かれており、治病に効果のある各種手技が自然に結合され、また影響しあって現在の指圧と言う形なったわけです。また、指圧は他の手技(あん摩・マッサージなど)とは違うと言って、独自の方法や流派を唱える方がありますが、基本的には大して差はありません。
ただし、治療師の個々の技量によって治療効果は違ってきます。更に詳しくは、「指圧について」(指圧とはどういうものか、現状などに付いての説明)をご覧ください。
2.指圧圧法の三原則
指圧をするときに大事なことは、気持ちのよい圧を自然に加えることです。その基本が下記の三法です。残念ながら、多くの所でこのことが守られずに、強く押せばコリが取れると錯覚して、痛いほど強く押す傾向にあります。
1)垂直圧:体表に垂直な安定した圧で、無理な力を入れるのではなく、自分の体重を利用して、ゆっくりと相手に寄りかかるような気持ちで押していきます。そうすることで、受け手も自然にその圧を受け入れて身体の緊張も緩み、いわゆる「コリ」もほぐれてきます。
体表に垂直に押す圧は生体にとって自然に即したものです。急激で局所的な圧は生体に危害を加えやすく、交感神経を緊張させますので、病人には不適当です。
2)持続圧:加圧した力はそのまま安定して持続されなければいけません。大体4〜6秒ですが、もっと長く続けることもあります。いずれの場合も、その間の圧が安定していないといけません。この持続圧によって、圧が内部に浸透して、副交感神経が優位に働き内臓活動が活発となり、気分的にもリラックスすることになります。
3)支え圧:相手を押すのではなく、相手にもたれかかるようにすると、相手もそれを受けいれてくれます。このように、「支え圧」というのは自分を支えると同時に相手も支えるという形で圧が働きます。また、両手操法を行うとき、片手で押したり移動しているときに、他方の手で自分の体重を支えます。これも支え圧です。
患者を不安定な姿勢にして指圧をすると、圧で身体を動揺させてリラックスできません。また、これに応えようと筋肉が緊張して全体に固くなってしまします。
要するに相手をリラックスした状態にして指圧をしなければなりませんから、術者も力まずに、落ち着いた気持ちになって行うことが大切です。
3.予防医学の指圧

指圧は大変治療効果の高いものですが、本来は治療法としてよりも、病気にならないような健康な身体にしておくという、予防医学的な側面を持っています。
指圧を日常的に受けることによって、副交感神経が優位になり、心身ともにリラックスすることが出来ますので、一層、自然治癒力が高まり病気に対する免疫力も強くなります。
ですから、ちょっとした身体の不調も早く気付くようになり、自ら節制して健康を保つことが出来るようになります。この点からも病気になってから指圧を受けるよりも、日ごろの健康維持の為に指圧をドンドン利用されんことをお勧めします。
今後は病気になってから治療を受けると言うのではなく、病気にならないようにしょうとする考えが常識になっていきます。それが予防医学であり、未病医学ということですね。
4.指圧は手当て法
指圧は押してコリをほぐすというように見られていますが、そうではありません。治療ということから申しますと、相手と一体になり、相手を思いやり、相手の弱っている所にエネルギーが漲るよに「手を当て」るという気持ちが大切なんです。
コリが強いからといって、強く押したり、ゴリゴリ押すのは感心しません。それでは筋肉が益々、固くなるばかりです。そうではなく、無心に手を当てることによって、相手との一体感が生まれ、宇宙のエネルギーが流入され、受け手自身の治癒能力が活性化して、コリが緩んでいくことになるのです。
「手を当てる」ことによって、お互いのエネルギーが共鳴し合い、そこに信頼関係が生まれ、より深い人間関係が出来ます。その意味からも、手を当てることは一つの愛の行為であり、人間として一番基本的なあり方だとも言えるのではないでしょうか。
ところで最近のニュースによりますと、指圧を習ったイスラエルの女性が、長年に亘り争いが絶えないパレスチナ人に対して何とか心を通わせたいと、パレスチナの人に指圧を教えたり治療をしているそうなんです。そしてその努力が段々むくわれているそうです。これこそ私が長年言い続けてきている、「指圧は人間関係を良好にする最適な方法」と言うことを証明していることではないでしょうか。
これは下の欄で述べる、「ボランティア活動」にも通じるものがあります。あなたも、こうした指圧の素晴らしさを認識していただいて、是非、生活の中に生かしてください。
5.ボランティアと指圧
指圧は手当て法と申しましたが、手を当てるということは相手の弱っている所に手を貸すということですから、人助けということにもなります。またそれは、思いやりと奉仕の行為でもあります。この点から考えて、指圧はボランティアとして活用するのに最適です。
指圧をすることで、お互いの「人間関係」がより深くなります。
例えばこんな話があります。反抗期の子供を持った母親がその子に定期的に指圧をしたところ、最初はうんとも、スンとも言わなかったその子供が、途中から、[お母さん、有難う」と言って感謝をするようになったと、そのお母さんが喜ばれたということがあります。
また外国に行った方が、言葉も余り通じなくて弱っていたとき、ある外人に指圧をしてあげたところ非常に喜ばれて、その外人の世話でその後楽しく生活できた、という方もあります。
このように、指圧を日常生活に取り入れることで、多くの方に喜んでもらえます。ですから、指圧を身につけておきますと一生の宝になりますよと、あなたに申し上げたいのです。
■ 最近、各地の災害被害地で多くのボランティアの方が活躍しています。でも、何かしてあげたいと思っても、自分に特技なとが無いと、かえって手足まといになることがあります。
そこで、指圧の心得があれば、心身共に弱っている人々にすぐ手当てをしてあげることが出来ます。どんなに喜ばれることでしょうか! 是非、あなたも指圧を利用してボランティに精を出してください。
実際、先の新潟中越地震の時にも、多くの方が被災者に指圧をして上げて大変に喜ばれたと言う、ニュースも伝わっていますよ。
(この他にも『Q&A』や『ご意見・ご感想』のページも参考にご覧ください。)
6.指圧は瞑想と同じ
指圧を受けると心身共にリラックスして楽になります。すると、日常生活の中で色々なストレスからも開放されますので、自分の生活の間違いや考え方の偏りなども気付くようになります。こうしたプロセスは瞑想をしてアルファー波が多く出て、リラックス出来た時に感じる開放感と良く似ています。
瞑想の目的も、自分の間違いはどこにあるのか、自分とは何かなど、自分自身を知ることですので、指圧を受ける感じと良く似ています。また指圧を無心で誰かにしている時も、同様に心身共にリラックスしますので、動的瞑想と言っても過言ではありません。
(『瞑想について』)
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